カミサマノイザカヤ
神様の居酒屋は、常に席が増えたり減ったり。神様の居酒屋は、そういうもの。
さっきまでカウンター席しかなかったはずなのに、今やカウンター席が3列にも連なり、どうやら背後にはボックス席もあるようす。わたしはその、二列目にいる。もちろん、今は、という意味である。
同じ列の少し離れたところに、三人組のおじさんが座っている。真ん中はちょっぴりもっちり、左は最近アタマがキテる。
「平成いいやねん」と「平和協会」のいざこざが、もっぱら居酒屋での話題。
この居酒屋が、神様が運営している居酒屋なのか、神様が集い楽しむ場なのか、わたしには分からない。それは、この世界も同じこと。
わたしに分かるのは、もし神様がこの世のすべてを作ったのなら、わたしも、わたしの夢も、この居酒屋も、神様が作ったもので、
でもそれは、別になんの意味も持たないということ。